人、まち、自然。ふるさと日本、ありがとう。 民主党参議院比例区第68総支部長竹内栄一
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民主党参議院比例区第68総支部長竹内栄一
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平成22年4月9日
政界再編成は本当に起こるか

5日の新聞は自民党の与謝野馨氏の離党と平沼赳夫氏との連携による新党結成の動きをいっせいに報じている。昨年の衆院選以来、政権奪取を目指す自民党は支持率が低迷しており、党内では、焦燥感が広がり、舛添要一氏のように公然と現執行部を批判したり、既に離党した議員も何人かいる。今度は明らかに、新党結成を狙っての動きであり、3月には鳩山邦夫氏、そして、今回は党の重鎮である与謝野馨氏の離党である。新党結成はみんなの党、地方自治体の首長連合等々含めて、いろいろ噴出しているが、最大野党である自民党の液状化現象が今後、どう発展していくのかは、民主党としても、無関心では済まされない。参院選での主導権を巡って、今後、政界内での様々の思惑や駆け引きが激しくなると予想されるが、本当に政界再編成にまで繋がるのか、考えてみたい。

1960年頃から、高度経済成長を背景として、自民党と社会党による所謂“自社国対政治”と言われた55年体制がそれなりに機能して、わが国の政治的な安定が守られてきた。しかし、1989年の冷戦構造の崩壊を契機に、米国を中心とした新世界秩序形成への動きが始まるも、湾岸戦争や9・11テロ等、米国の指導力の限界も顕在化した。他方、東アジアでは冷戦構造は中国そして、北朝鮮では残っている。特に経済分野での改革開放を推し進めた共産党独裁の中国は巨大人口を背景に経済力を急激に高め、軍事力の強化に邁進している。世界経済では、中国やインド、ブラジル等の新興国が市場経済化を推し進め、世界市場への積極的な参入を通じて、その影響力は益々大きくなっている。

米国は国際金融での覇権を握っていたが、“強欲金融資本主義”の墓穴を掘り、2008年のリーマン破綻で世界金融恐慌を引き起こした。これら情勢の変化は冷戦の崩壊が国際関係においては世界秩序の形成において多極化を、そして世界経済においては、先進工業国の支配が後退し、特にアジアでの新興経済大国の影響が強まったことを物語っている。私たちは、今、世界の歴史上の大転換期、パラダイムの転換の時代に生きている。

この冷戦構造の崩壊は当然ながら、わが国の政治と経済のあり方に決定的な影響を与えた。その本質的な意味は、55年体制による政治と経済の成功を生み出し、支えてきた要因は冷戦構造であり、それが崩壊すれば、55年体制は最早、機能しないということである。そこでは、必要なことは過去の成功神話を放棄して、新たな世界のパラダイムの転換の意味を正確に認識して、その転換に対応できるような、新たな政治そして経済のあり方を再構築することであった。

その時代の転換を象徴する事件が、政治の分野では、1993年の自民党の宮沢内閣の崩壊と反自民反共産の連立政権、細川内閣の成立であり、経済については、1985年のプラザ合意に“円”の切り上げにより引き起こされたバブルとその崩壊であった。それ以後、種々様々の紆余曲折はあったが、わが国の政治も経済も、現在に至るまで、混迷と迷走のうちにあり、国力は明らかに衰退し、国民は先の見えない閉塞感に苦しんでいる。その最大の原因は、結局、1991年の冷戦崩壊という歴史的なパラダイムの転換の意味を正面から勇気を持って、理解することから逃避したことである。このパラダイムの転換が生み出した現実から目をそむけて、過去の成功や安楽さにしがみついていたかったという怠惰な精神であった。

冷戦の時代には、わが国は国防や安全保障は米国に任せて、経済は米国の主導した自由貿易体制の恩恵を受けて、世界貿易に参入して、国富を増大させることが出来た。1968年には米国に次ぐ世界第2の経済大国に、のし上がり、世界でも有数の消費大国として、わが国の歴史上未曾有の豊かさを経験してきた。しかし、冷戦崩壊後、そのようなわが国の有様は国際的な責任を果たさない一国平和主義、一国繁栄主義だとして、国際社会から厳しい非難や批判を受けることになり、以後、この様な国際関係の厳しさや世界経済の急激な変化に曝されて、わが国の政治も経済も的確な対応も出来ず、国力を低下させ、わが国の存在感が急速に失われ、更に、今後、少子高齢化を迎えるなかで、わが国は国家の存立すら危ぶまれるという大きな国難に遭遇している。

この様な国難に立ち向かうにはどうすべきか、その責任は先ず政治にあり、そのあり方を根本から見直すことしかない。民主党や自民党等、その他幾つかの政党や集団が現実に存在しているが、共通している政治的な価値観や信条、基本政策は何かと言えば、それは全て、“戦後”的な価値観そして“戦後”体制の信奉であり、その墨守ではないのか、保守を名乗る自民党からマルクシズムを党是とする共産党に至るまで、すべて、牢固とした“戦後”の落とし子である。

しかし、“戦後”的なものとは何か、・・・・先の戦争の敗北の結果、わが国を支配した戦勝国―米国の対日占領政策の目的は、―日本をして、二度と米国に刃向うことの出来ないようにすることにあり、その為、わが国の歴史や文化伝統と言った国家のアイデンティティである基本的な価値観や制度の一掃、また、無実化することであり、その集大成が交戦権を否定した現行憲法に具現化されている。この様な米国の政策はその後の冷戦の激化に伴って、相当、軌道修正はされたが、本質的には、わが国を保護国化するという点では変わっていない、また、この占領政策の実行の為に、民主化の名目で、国内のサヨク勢力を援助支援したこともあり、彼らが果たした反日的、反国家的な言論や政治活動は戦後の日本のあり方に大きな影響を及ぼしてきた。しかし、元々、米国の占領政策への無節操な加担という意味では、“戦後”的な理念や体制は所詮、欺瞞と偽善でしかない、そして、戦後の繁栄は結局、その上に築かれた砂上の楼閣に過ぎない。

今、私たち日本人が為さねばならないことは、この“戦後”的なるものを一切、タブー視することなく、徹底的に疑い、その功罪を冷静に検証して、その呪縛から自らを解き放つ強い意志を覚醒することにある。それなくして、世界の基本的な構造やパラダイムが転換しつつあるこの歴史的な試練を乗り越えることはできない。その為には、冷厳な政治的リアリズムの精神を取り戻すことであり、その魁を演じるのは政治家の神聖な役割であるはずだ。今回の新党運動は偶々、自民党での内紛に起因しているが、この課題は今や,我が日本の存立の為に、民主党を含めて、あらゆる党派の利害を超えて、取り組まねばならない最も緊急にして切実な一大国民運動である。

4日のフジテレビの「報道2001」で、今回の平沼新党の仕掛け人は石原東京都知事であり、彼がその番組の中で、内部情報として話した平成19年、あの挫折した民主党自民党の大連合構想について、当時民主党代表であった小沢一郎氏の究極の意図は憲法改正と消費税であったと聞いて、その内幕話が真実であるかどうかは別にして、本当に驚愕した。

今、私たちを襲っている国難を乗り切るには、小沢一郎氏のいう憲法改正―少なくとも9条の改正、そして消費税、相当困難であろうが、その導入は全く正論であり、他に、選択肢がないことは余りにも明々白々である。しかし、この壁を乗り越えるには、政権政党が民主党だ、自民党だといっても、個々の政党だけの力量では国民の支持を固めきれなし、現実的には不可能に近い。それを打破するには、政党の利害や思惑を放棄して、大同団結して、救国内閣なり、挙国一致戦線を作るしか考えられないのでないか。この様な大連合構想は、戦後の日本では経験がないが、欧州では、実例もあるし、今のドイツが大連合政権だと思うが、食うか食われるかの大競争時代に入った国際社会の中で日本が生き延びる為には小沢一郎氏の構想は改めて真剣に考慮すべき大胆な戦略構想には違いない。

今回の平沼新党が小沢構想の期待するような本当に政界再編成に発展していくのかは全く予測もつかないが、いずれにしても、先ず参院選に向けて、新党の動きも含めて、これから政局の動きがどうなるのか、一瞬の油断もなく、注視していきたい。わが国の再生の為には、江藤淳氏が指摘していた“国家ごっこ”や“政治ごっこ”の遊びをしている時間はもうないと言うこと、国政に携わる政治家は先ず、覚悟しなければならないと思う。


竹内栄一事務所