人、まち、自然。ふるさと日本、ありがとう。 民主党参議院比例区第68総支部長竹内栄一
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民主党参議院比例区第68総支部長竹内栄一
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平成22年5月27日
わが国の経済情勢について


5月26日のニュースによると、欧州では、ユーロ通貨が対円―対ドルで8年ぶり又4年ぶりに最安値を付けた、アメリカではニューヨーク株式市場で30種工業平均が、又、1万ドルを下回ったと報じている。日本では、昨日、日経平均株価が9,459円89銭と、昨年末以後の最安値を付けている。又、アジア各国を含めて、世界同時株安が起こっている。2008年のリーマンショック以降、世界経済は立ち直ってきたと言われていたが、今、何が起こっているのであろうか・・・・・・。
 
わが国の経済は基本的には、相変わらず、デフレの重石を引きずった侭ではあるが、最近は中国等の新興国への輸出により、大手企業業績もかなり改善されて、景気の回復を思わせるような、やや明るい雰囲気が出ていたが、2009年末にギリシャの財政危機が表面化して以来、EUの通貨、ユーロが大きく値を下げ、EUは本格的な財政支援策を決めたが、その実効性を巡って、色々な思惑もあり、他にも、大きな財政赤字を抱えたスペイン、ポルトガルと言った国々の財政再建も絡んで、EU圏内では、金融危機に発展した。この影響で、比較的安定した通貨と見られた日本円が買われ、円高を引き起こし、これが、景気回復を先導してきたわが国の輸出企業の業績悪化の予想から、ここ数日の株価の下落を誘っている。株価の下落は、日本だけでなく、米国を始め、世界的に広がっている。勿論、この背景や原因は色々あり単純ではないが、2008年のリーマン ショック以降、G7、そしてG20 と、国際的な規模で、百年に一度と言われた世界大恐慌への緊急策として合意された財政出動が動き出して、金融システム不安はなんとか沈静して、実体経済面も予想以上に回復基調にあると言われていたし、むしろ、財政赤字ベースで発動した財政出動からの出口戦略が論じ始められようとしていた矢先に、今回のギリシャの財政危機が顕在化して、世界経済が一挙に暗転し、先行き不透明な状況に陥っている。経済はモノとカネで動いているが、カネの評価は国際取引での需給関係で決まる、つまり為替のことであるが、世界の基軸通貨である米国ドルとの関係で決まってくる。
 
しかし、米国ドルはアメリカというある特定の国家の通貨でもあり、アメリカの利害でいくらでも印刷できる。世界中には現実のモノの取引で必要とされる以上の何十倍ものドルが流通しており、これが投機資金として世界中を徘徊しているから、これが国際金融というある意味でバーチャアルな世界を作っており、世界経済にいろいろな波乱や混乱を生み出している。しかし、この国際金融の問題は複雑であって、簡単な解決策などないが、これは別に論じるとして、今日お話ししたいのは、財政赤字の問題である。国家の財政であろうと個人の家計であろうと、原則は、支出は収入の枠の中で行う、そして、借金はしない、又、借金は返さねばならない、ということである。誰でも知っている常識である。国が大きな借金をすると、どうなるのか、ギリシャの問題は正に、この問題の難しさを物語っている。

今、ギリシャでは厳しい財政再建策が決められ、公務員給与の大幅カット、や、年金の減額等に強く国民が反発して、暴力的なデモが頻発して、政治不安が広がっている様子がテレビで報道されているが、しかし、ギリシャの政府が、この様な民衆の抗議にひるんで、財政再建が進めなければ、外国の金融機関等が保有する国債を含め、対外債務の不履行となり、何処からも、資金を貸してくれない、そして、国家は破綻するしかない。現在、EU圏では、各国とも如何に、財政健全化を実現するのか、その為には、増税か、財政を切り詰めることしかないが、結果としてそれは直接的には、国民に犠牲を強いるし、また、景気そのものを悪化させることになるが、各国の政府も、そのジレンマに苦悩しつつも、国民に生活水準を引き下げることの協力を呼びかけるしか選択肢はない。

翻って、わが国はと言えば、このギリシャの状況は人ごとではない。わが国の財政赤字はGDPの180%と公的債務残の規模では世界でトップ級であり、ギリシャの次は日本かと言った冗談も聞かれるが、国民には、この問題について、殆ど、危機意識がないのも実はおかしい話であるが、その自信の言い訳が、わが国の国債は殆どわが国の金融機関や個人が所有している、つまり、ギリシャと違って外国に借金しているわけでない、又個人金融資産が1400兆もあると言うことである。確かに、現象的にはそうであるが、これも、表面の数字上の計算にすぎないとは言えないか。危機は起こるときは、あっと言う間に起こる。国債の格付けが下がり、長期金利が上がり、銀行の貸し渋りが広がり、企業の資金繰りが留まり、倒産や解雇が増加し、銀行の不良債権が膨らみ、或いは倒産にまで進めば、正に、経済体制そのもののシステムの崩壊に発展する。今わが国で大問題になっている宮崎県の口蹄疫の問題は典型的な危機管理の問題であるが、初動の遅れが一挙に15万頭の牛や豚の処分に発展してしまった。この教訓から言えば、この莫大な財政赤字の処理をどうするかは、安全保障の問題と並んで、国政上の最重要課題であり、政府は勿論、国民の誰もが逃れられない問題なのである。

一般的に、民主主義の国家では、国民や有権者の支持を得る為に、政治のあり方は、どうしても、彼らに迎合する、いわゆるポピュリズムに流れる傾向は否定できない。従って、財政は、国民の様々の欲求に応える為に、常に膨張する、一度、制度化されて政府支出は財源の裏づけがなくても、恒常化し、それを止めることは政治的に難しい。結局、この様な政治的な葛藤の中で、政府も、正しい決断が出来ず、無為無策、或いは、曖昧な対応に終始し、結果として、国民を更に苦しめることになり、最終的には、国家財政の破綻と言う破局を迎えることになる。いくら政府に対して暴力的なデモを起こしても、それは解決策にはならない。その意味では、わが国の財政は抜本的に見直すべき緊急の課題であることは全く疑問の余地はない。その場合、単純に財政の中身を徹底的に、精査し、そして、節約や切り詰める、又、廃止することは当然であるが、それだけでは問題を解決したことにはならない。同時に、中長期的な経済の活性化の為に政策的に積極的な財政支援すること、例えば科学技術や環境、医学等の分野では、必要であり、これが、いわゆる成長戦略ということである。この二つの側面で、国家経済のあり方を戦略的な視点で捉えることが最重要ということ。

この様な視点で民主党の経済政策を見ると、今までは、全般的にポピュリズムの色彩が強いという印象を受ける。勿論、政権交代ということで、その経済政策は、必ずしも経済合理性が検証されているわけでもない。その典型が子供手当である。又、国民の関心を呼んだ事業仕分けは、大切ではあるが、結局、局部的なアプローチアである。最近は、党内でも、財政赤字や、税収の落ち込みの問題もあり、もっと根本的に、財政のあり方全般について、考えようとの雰囲気も出てきて、消費税の問題,又、成長戦略の問題等も広く論じようとの動きも出てきたことは大いに歓迎するところである。唯、財政赤字をどう少なくしていくのかは、如何なる対策を講じようとも、国民に何らかの犠牲と言うか、既得権と言うか、それに切り込んでいく、つまり不人気なことになるが、それが不可欠であり、特に、健康保険、年金制度を含めて、社会保障制度の問題が最大の問題である。わが国では、高度経済成長時代以来、増大する税収を当てに、自社55年体制の中で、有権者におもねるように、社会保障制度、公共投資や財政投融資を含めて、財政支出が野放図に拡大してきた傾向があり、これから、その付けを払わなくてはいけない時が来ている。

ギリシャの例を見るまでもなく、国民に犠牲を求める、或いは、彼等の既得権を奪うことは政治的には大変重い課題である、しかも、戦後民主主義教育で、人権尊重だけが教えられて、公的な精神や道徳心の希薄な侭、育てられた国民を説得するのは、並大抵の政治力や統率力では、不可能であろう。しかし、この問題は如何に難しかろうが、やはり、政治の問題であり、国民を含めて、自分自身で解決するしかない。財政赤字が如何に大きかろうとも、それを解消するのが如何に大変であろうとも、それをつくり出した私たち自身の責任で、解決するしかない、子供達や孫たち達にその借金を廻すことだけは許されない。しかし、一方、確かに、個人資産1,400兆はこの問題を解決する為には大きな資産であることは疑いない。この資産を中長期の成長戦略に結びつけるような形で動かすことが求められている。

先日、ある新聞で、一面を使って、昭和4年、宰相高橋是清の言葉を紹介している。それは簡単に言えば、”浪費”を薦めている。カネは動かさねば何の価値も生まない、唯、節約と言うだけでは、景気は回復しない。彼は、待合を例にして、そこで使った金はいくらであろうと、転々として色々な人達の手に渡り、それが、20〜30倍になっていくという波及効果を指摘し、他方、銀行に同じ金を預けても、銀行の預金は増えるが、そのカネは殆ど、効果を生まないと訴えている。今風に言えば、ケインズの有効需要説であろうか。個人の道徳では節約は美徳で浪費は悪徳と教えられてきたが、経済の世界では、おカネとはそういうものであるということ。1,400兆の資産の60%を60歳代以上の中高年世代が持っている。彼らにオカネを使ってもらうにはどうしたらよいのであろうか、それが彼らの子供達や孫達の幸せになることをどう説得できるのであろうか、皆さんどうか知恵を出してください。

 



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