人、まち、自然。ふるさと日本、ありがとう。 民主党参議院比例区第68総支部長竹内栄一
トップページ  自己紹介  国をおもう 今までの活動  アジア・太平洋
交流フォーラムT
事務所案内  リンク集 
 
民主党参議院比例区第68総支部長竹内栄一
E-mail arigatou@takeuchieiichi.jp
 
 
 
栄一雑事記
 
竹内栄一ブログ
 
 
 
平成22年6月2日
渡部恒三先生のお話を聞いて


一昨日、31日夕方、横浜駅前近くで開かれた後援者の皆さん主催の集会に、わが民主党元最高顧問,渡部恒三衆議院議員をお招きして、現在の国政について、お話を伺った。政界では大長老であり、平成の水戸黄門と呼ばれて、独特の風貌と、そして、その語り口も、朴訥ではあるが、歯に衣を着せない、ずばり物事の本質を突くもので、聞く者の心を捉えることで有名であるが、今回も、現在のわが国の政治情勢、や、今後の日本が抱える課題について簡潔、明快に,その心情を吐露された。

先生は会津の16代続く古い家柄の方で、早稲田大卒業、昭和34年、26歳で福島県議を2期、そして国会−衆議院議員選挙を自民党籍で16期、政治家歴51年、その間、幾つかの大臣職を担当され、経験しなかったのは落選と総理大臣だけとのことであるから、約半世紀に及ぶ戦後日本の政治の現場で、多くの修羅場をくぐり抜けられて、正に、戦後政治の生き証人と呼んでも良い方である。

そして、16年前に、宮沢内閣の時に、自民党に対抗して、政権を担える政党をつくることとし、政権交代の可能な二大政党制の実現を目指して、国民が政治の主人公であるべきとの信念から自民党を離れ、民主党を立ち上げられた。そして、昨年9月、国民の期待を受けて、待望の政権交代が実現した。それから、約8ヶ月が経過して、鳩山首相そして小沢幹事長のツウートップについて、政局的なコメントも述べられていたが、“政治とカネ“の問題が国民の不信感の底にあり、個々の政策についても、例えば、事業仕分けなどは自民党では出来なかったことをやって、新しい政治のあり方を印象づけて、有権者から相当の関心は集めるも、政治的評価としては限られたものであった。

又、内閣支持率を大きく下げた沖縄―普天間問題での首相の迷走ぶりは鳩山首相の人柄の良さと言った個人的な資質が生かされずに、政治経験の少なさ、又、初めての民主党による新しい政治への国民の高い期待を背負うも、”コトバ“の軽さ、や、振れで、内閣運営の統率力の弱さを暴露したり、等々指摘されておりましたが、例えば沖縄問題などは過去の経緯から誰が総理であろうと、やったところで同じ結果になるしかないし、初めての政権運営となれば、試行錯誤は避けられない、全て順調に行くなどはありえない、他方、人材もそれなりに育ってきている、ある程度、失敗しても、それで、経験を積んで、学習していけば、よいのでないかと、ある程度、割り切った態度で見守ろうと言うお考えの様であり、国民に、もう少し温かい目で見守ってやって欲しいと言うのが率直なお気持ちだろうと推察しました。その辺の事情はよく理解できますが、今わが国が直面している問題は、安全保障外交は勿論、経済の低迷、教育の歪等々、戦後、国民の勤勉と努力で築き挙げてきた国力/国富が日々失われていくといった現実を考えると、今や待ったなしの窮地に落ち込みつつある、目前に危機が迫っているとの気持ちを私自身は抑え切れません。その意味では、政治は結果ですから、結果を出せという国民の期待に唯々沿うしかありませんし、結果出せねば責任を取るしか選択肢はない、しかし、同時に、安易に国民に迎合することも絶対避けねばならないとも思います。

沖縄問題について、先生は、佐藤首相が沖縄返還を実現したが、当時、沖縄は米軍の支配下で、パスポートを持って,沖縄に行った。世界の歴史上、戦争で軍事的に占領された土地が平和的に返還されたのは始めてである。当時は、冷戦の最中で、米ソが対立しており、日本でもソ連が攻めてきたらどうするのかの問題があった。日本は平和憲法の為に、米国の基地が残った。今までの米国との付き合いは簡単にはなくならない。今まで、自社55年体制では、両党の安全保障外交の立場は正反対にも係わらずに、自民党が政権を持っていたから、今のような仕組みが続いてきたという、現実的な見方をされていましたが、この”平和憲法“が沖縄問題、そして国防問題の本質であるというのが私の考え方です。

それから、先生は幾つか、わが国の将来を考える上で、重要な課題を提起されて、具体的な問題点を指摘されました。

1−先ず、財政の問題である、これが第一番の問題、自民党の時代は経済は高度成長して、年6−8%の成長率であった、毎年、1兆円づつ、税金が増えていたので、この税金をバラマキながら楽に、政治が出来た。当時は池田内閣の時だった。今は全く状況が変わった。今回、事業仕分けでは、1兆円の節約が出来たが、今年の予算では93兆の歳出で、税収は37兆しかない、不足分は国民からの借金―国債で賄う。しかし、こんなことはいつまでも続けられない、それこそ、ギリシャになってしまう。もうわが国の財政の実態について、嘘を言っては駄目だ、それは詐欺、国民には、本当のことを言うしかない。

この先生のご指摘は全く、その通りであります。800兆を超える財政赤字を次代の子供達に“付け”を廻すことは出来ません。如何に、この赤字を減らしていくか、これは唯、節約や切り詰めだけでは、処理しきれないし、又、公共サービスの思い切った削減とか、又消費税の増額も不可避でしょう、いずれにしても、国民に犠牲を強いる政策となります。
従って、国民の理解を得る為には、同時に成長戦略をきちんと策定して、国民に将来に希望を与える積極策が絶対に必要であります。

2−次は少子高齢化の問題があります。外国では人口減少は国家の危機として大きな問題として政治問題となりますが、わが国ではおかしなことですが、余り危機感が感じられない。最近の出生率は過去3年ほどは少し改善されましたが、直近の数字は1.3%と下がっています。先生のお話では問題として、20−30代の若い人たちの60%が、子供は欲しくないと言っているそうですが、この背景に経済格差の問題―子供手当ては少しは関係していますが、それ以外、色々あり、かなり複雑です。戦後、特に個人主義の行き過ぎがあり、本来、家庭こそ大事な人間関係の基礎であることを軽視して、個人中心的な価値観が蔓延していることも大きい、若い世代―男女とも、子供を産む、そして、育てることを避けて、個人本位の自由勝手な生き方を賞賛する価値観があります。格差はいつも、例えば敗戦後の貧しい時代もありましたが、子供達が多くおりました。格差を乗り越えて、家庭を築いて、子供を生み育てることが人間としての本当の喜びや幸福の源泉になることを、どうやって、若い世代を説得していくかが問われております。

3−更に、年金、医療健康保険等を含めて、社会保障制度の問題があります。先生の言われるように、少子高齢化の進展で、今の制度では若い世代が保険を払って高齢者を支える仕組みになっているが、若い世代が減少していくと、この制度は、年金等も同じで、破綻してしまう。国民の安心を担保する意味で、社会保障制度が将来もきちんと続けられるような仕組みに変えなくてはならない。又、更に、指摘されていることは、わが国は、国は貧しいが、国民は豊かだという事実である。個人金融資産が1,400兆もあり、その60%−560兆を高齢者の人が持っている。社会保障制度をきちんとした仕組みに変えて、豊かな高齢者が、もうお金使っても心配することがないとなれば、お金を使ってくれる。10%でも使ってくれれば、景気も回復する。このご意見も重要な示唆です。現在のデフレ経済から脱却する為には、この発想が一番重要であると思っております。

4−農業、水産業、又、林業を如何に回復するのかの問題です。今はこれら産業は不振ですが、特に、農業の分野で、食糧自給率―60%に高めることが大切であるとの先生のご提言には、全く同感です。先生は、学生時代に、マルサスの人口論を勉強されて、彼の予言、人口増加により食糧危機が必ず起こると学ばれたそうですが、現実には、この予言は食料の生産性が向上して、起こりませんでした。しかし、現在、世界では、人口大国の中国やインド等が新興経済大国となり、食糧を始め、あらゆる資源の奪い合いが起ころうとしております。その意味で、食糧危機は現実的な脅威であり、安全保障の問題でもあります。この問題については、農村の人々だけでなく、都市の人々も含めて、国民全体で真剣に考えて、行動すべき緊急の課題であることは全く同感であります。中国や韓国へ行くと判るが日本の自然は本当に緑豊かでである、これも私達の先祖が営々として自然を守ってくれた、その努力のお陰である。自然環境を守ることは私たち日本人の民族的なDNAであり、自然との共生は伝統的な文化であり、生き方です

5−最後に先生はご自身の理念的な基盤として、保守主義であることを明らかにされました。それは唯、古いものを守るということでなく、必要な改革は進めることも大切である。そして日本の歴史、伝統、そして国土、自然を大切にしながら、国民の生活を守っていくことをいつも心がけていると講演を締めくくられました。私個人も思想的な立場は先生と基本的に同じであることを伺って、大いに勇気付けられました。

以上、渡部先生のお話の趣旨を、私の記憶と理解した範囲で纏めたものと私の感想を付け加えさせていただきました。改めて、渡部先生には、今回のご講演いただきましたことを厚く御礼申し上げると共に、今後も、よろしく、御指導とご鞭撻をお願い申し上げます。


竹内栄一事務所