人、まち、自然。ふるさと日本、ありがとう。 民主党参議院比例区第68総支部長竹内栄一
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民主党参議院比例区第68総支部長竹内栄一
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平成22年6月9日
日系人は日本の民族的財産


過日、横浜線大口駅近くにあるブラジル焼き肉店で友人たちと食事をする機会があった。この友人たちは昨年設立したNPO法人「地球の心・日本」のメンバーでアマゾンの環境保全活動を目的とした団体です。私も日ごろから環境問題に取り組んでいるので、彼らの活動には全面的に賛同していた。彼らは設立後まもなく、昨年迎えたアマゾン日本人移住80周年を記念して、アマゾンで日系人が取り組んでいる環境に配慮した農業経営「アグロフォレストリー」のジオラマを製作し、写真とともに展示会を開催しまし、また、現地で開催された「記念式典」にも参列している。彼らの話では、日本人移民は、数々の困難に遭遇したが、コーヒーの袋に使用するジュート麻の栽培、ピメンタ(胡椒)栽培に成功し、ついにはアマゾン最大の産業にまでに発展させた。ヨーロッパ移民でも成功しなかったアマゾンの開発の偉業を、日本人移民が成し遂げたとのことです。

「アグロフォレストリー」は地球の肺といわれるアマゾンの熱帯雨林の保全と開拓農業との共生を図る目的で、これまでの開拓の経験を踏まえたトメアス移住地の日本人が考案したものです。具体的には数種類の熱帯果樹をそれぞれの生態にあわせて混栽して、果実を収穫する農業形態で、この農業形態を日系子弟が引き継ぎ、現地ブラジル人に対して伐採・焼畑農業から育苗・植林の定着農業への普及を指導している。これが、いまや近隣諸国から高く評価され現地に視察にくるなど、ブラジル政府はもとより世界各国からも高く評価されている。私はこれこそ、まさに移住して移住先国の国づくりや世界の環境保全にも貢献していることに感嘆しています。

彼らの話はさらに南米の日系人に及び、日本人移住者は子弟教育に最も力を入れており、ブラジルで最難関のサンパウロ大学の新入生総数の約15%を日系人学生で占め、特に医学系,工学系が多いようです。これは、日系人総数は約150万人なので、日系人はブラジル人口の0.9%程度であり、それからすると驚異的な数字です。 一般のブラジル人からは、日本人は、日本の23倍もある広大なブラジル国土で、北部アマゾン地域ではピメンタ(胡椒)、中部セラード地域(不毛な地帯)ではコーヒーと大豆等の穀物、南部地域では野菜と温帯果樹とそれぞれすべて日系人が開発しているので、日本人は農業の神様とも言われているそうです。

このような日系人のブラジルでの開拓の活躍を聴いて、さらに大学の進学状況からすれば、ブラジルにおける日系人の存在は0.9%ではなく、ブラジル人の誰もが日系人をことも無視出来ないほど大きな存在で、ジャポネス ガランチード(信頼ある日本人)と呼ばれ、ブラジルの国づくりにも不可欠な存在となっていることが伺えます。

友人たちの話を聞いて、私はパラグアイの田岡大使のことが思い出しました。私は2年ほど前に「アジア太平洋フォーラム」で南米パラグアイ国特命全権大使の田岡功大使の講演を拝聴した。大使は徳島県から14歳の時に家族とともにパラグアイに移住し、父の農業を引き継ぎ農業に従事しその後、組合長や日本人移住地を市に昇格させることに尽力し、同市の市長まで務めたかたです。その後大統領の命により日本大使に就任した、日本生まれの海外移住者で初の駐日大使です。同大使の講演は、在任三年で混迷する祖国日本の現状を目の当たりに見て、われわれ日本人に「よみがえれ日本」と強いエールが送ってくれまさした。その講演会では非常に示唆に富んだ感銘深いものでした。横浜育ちの私は、明治時代以降、横浜の大桟橋から多くの移住者が日本から南米各国に移住していったことは知っていましたが、彼らが移住先国の国づくりにこれほど大きく貢献しているとは思ってもいなかったので、その時以来、移住者、日系人に強い関心を持ちました。

ブラジルの日系人の話や田岡大使の話を聞いて、私の頭に浮かんで来た共通した言葉は、日本人魂、不屈の精神と忍耐、謙虚、勤勉それに家族の絆でした。これらの言葉はわが国日本では、遺憾ながら死語になってしまっているのではないがろうか。政治を志すものとして、混乱した日本を再建するには、歴史と文化に裏打ちされた世界に誇るべき日本人の心を取り戻す必要があることを痛感しました。

一方で、1985年のプラザ合意以降、日本企業は労働力不足を海外在住の日系人に眼をつけて、35万人に及ぶ日系人を雇用した。しかし、彼らはいわゆる3Kの仕事を低賃金にもかかわらず勤勉にこなしていたが、一昨年のリーマンショックによる経済不況により、彼らは真っ先にいわゆる派遣切りになって、たちまち生活が困窮し大きな社会問題となった。

私はこの社会問題の原因は必ずしも経済不況だけではないと思っている。わが国が国策で送り出した日本人移民は85万人、その子孫である日系人は260万人に上っている。彼らはいわばわれわれ国民の親族であり同胞ではないのでしょうか。そして、日本の民族的財産でもあります。これまで企業及びこれを監督しなければならないわが国は、国民の財産である日系人を労働者として受けいれるに際して、安易ではなかっただろうか。また安易に使い捨てたのではないだろうか強い疑問を感じてます。通常外国人移民受け入れについては、世界のどの国においても移民受け入れの国家計画と移民のステータス、雇用企業の責任等の体制を整えて実施している。我が国ではこのような国家体制が整っていないことも原因のひとつです。従って、日系人が生活上の問題が起こっても、その訴えを持ち込む所もなく、現実的な問題が日系人の集住都市に残り、その地方自治体が対応に苦慮している状況にあります。

21世紀はグローバル化の社会といわれ、民族の交流が避けられませんが、一般の外国人に先駆けて、まずは海外に在住する民族的財産である日系人をパートナーとして、人的交流により日本の再建の一翼を担ってもらうことが必要と考えています。そのためには、現実的な問題に対応するためにも、その前提として国民の財産でもある在外日系人は同じ血をひく同一民族に属する仲間、同胞として扱うことであり、彼らをパートナーとして迎え入れられる関連法令の整備と国家計画など、集住都市への分権を含めた国家体制を構築しなければなりません。私は、混乱した日本の再建のため「日系人とのパートナーシップ」を政策目標として活動してまいります。


竹内栄一事務所